FF14 黄金のレガシー(7.0)感想
7月7日、黄金のレガシー メインクエストをクリアしました。振り返りと頭の整頓を兼ねた感想を残します。
漆黒以降、プレイしながら思ったことや考えたことを書き残しているのでそれを読み返しつつ、適宜ムービーを見返しつつのんびり書いていこうと思います。
当たり前のようにこれまで実装されてきたあらゆるコンテンツのネタバレを含みます。
また、この感想文は誰かの想いを否定するものでもなければ、肯定するものでもありません。自分の気持ちを整理するためのものです。
ネガティブな感想も含めて詰め込んでいますので、そういった人の感情をお求めの方はどうぞお進みください。
ストーリーの話
全体を通して楽しく冒険できました。ただ、手放しで素晴らしいとも言えない。
特にキャラクターの掘り下げ不足が目立ち、ご都合展開のように見えてしまうところが多々あったように感じます。今回のお話は大まかに前半の「継承の儀編」と後半の「アレクサンドリア編」に分かれていましたが、特に後半の納得感が薄い。どうしても疑問が残る展開があり今でも消化しきれずにいます。(この感想文はそんな消化不良になっているところを自分の中で整頓するためのものです)
今回、全編を通して驚きが少なかったように感じました。
新生の砂の家襲撃や祝賀会、蒼天の教皇庁やニーズニャン、紅蓮のゼノス自決、漆黒では明かされた世界の仕組みと水晶公の旅路、暁月は古代を含めたすべての時代に渡る冒険。どの物語も先が見えない、予想を裏切られるような展開に心動かされたものです。
ただ、今回はそれがなかった。
前半の継承の儀は主人公サイドが勝利すること自体は仕方ないとして。「こう展開しそうだな」「こういう人なのかな……じゃあ、こうなるかな」という予想通りに物語が運んでしまって、正直少し驚きました。王道的な展開が悪いということではなく、そこにプラスされるキャラクターや世界の掘り下げというものが浅いように感じるのが問題という話です。
特にゾラージャ王子とバクージャジャはその筆頭です。詳しくは後ほど書くとして、両者は継承戦の中でもどちらかというと敵対関係で一時的に手を結ぶことも難しい、言い方が平たくなってしまいますがヴィラン的な描かれ方をしています。彼らの掘り下げや動機づけが浅いというか……。
前半のストーリーはウクラマトが自分の国を知り、自国の民に自分を知ってもらう旅であり、同時にプレイヤーにウクラマトの人となりを知ってもらい、好きになってもらうための旅でした。
ウクラマトのことは嫌いではありません。FF14において、今までああいった真っ直ぐな女性のキャラクターはいませんでしたから新鮮でしたから。成長を側で見守ってあげたいと思わせるストーリーの運びは合理的で単純に良いものだと思いました。どうせ一緒に旅するなら応援したいと思える人が良いですから。
ただ、ここでもやっぱり描写不足というか掘り下げ不足があるように感じており……継承の儀で各地を巡って試練をこなす中で各種族の文化や歴史を知るという流れ自体は良いのですが、ウクラマトが至る結論が毎回「お前らのことを知って好きになったぜ!」は飽きが来るというもので。(自分の耐え性がないか、単純な好みの話かもしれませんが)
継承の儀が最終的にウクラマトの勝利に終わり、即位するとしてもそこの至るまでの経緯が一直線すぎるように思いました。面白かったんですけど、もう一捻りほしかったというところです。分かりやすくバキバキに負けるとか、そういう挫折を乗り越えるような展開があればもっと彼女のことを知って好きになれたかもしれません。
後半のサカ・トラル編。
まさかエレンヴィルくんとの二人旅で始まるとは思わず、そこは予想外で嬉しかったです。逆に言うと予想外のことはこれしかありません。恐らく展開が読める原因が過去の拡張パッケージのセルフオマージュがたくさんあるからなんですよね……汽車を改造して基地に突っ込むところは巨大タロースの流れだったし、ゾラージャ討伐の流れはイマキュレートクラウンのそれだった。オマージュするにしてもちょっと雑すぎる気がするのは気のせいでしょうか。ただ、ここの汽車のシーンでボーカル入りBGMを流してダイジェスト風に見せる演出は昨今の流行を取り入れていて良いなと思いました。なかなか今までは見られてなかった演出で新鮮。
スフェーンが登場してからアレクサンドリア国での冒険、楽しく進められました。次々開示される不穏な情報の数々に魅力的なキャラクターたち。予想通りの展開だったことを差し引いてもわくわくしながら物語を楽しむことができました。
魂を資源として扱う倫理、「死」を克服したように見せかけてゆるやかに破滅の道を進む文明、自国のために何でもするある意味一等人間らしいスフェーン王。確か今回のシナリオにはウェルリト戦役を書いた方が関わっていると聞いた気がするのですが、その方の味なのでしょうか。とても、とても良かったです。
だからこそ、スフェーンをはじめとしたアレクサンドリア国民と永久人たちの描写不足が勿体ない。時間が圧倒的に足りていないように感じました。これたけで一本作った方がよかったのでは?
最終決戦、エターナルクイーン。これだけは納得できていない。
ID後、冒険者だけが残されてウクラマト・クルルさん・ラハくんは弾き出されます。いつものやつね、とアゼムの術式で稀なる強者たちを呼び出していざ突入。ここまでは良かった。戦闘もNにしてはかなりハードで楽しくて夢中で戦っていたのに。なのに、唐突に演出が入ってウクラマト乱入。(乱入するのはCV的にラハくんなんだが?)
この演出だけは納得いかない。
過去に戦闘中、NPCが乱入してきたコンテンツで思い浮かぶのはエデン共鳴N4層のシヴァ=リーンの後半。永久凍土に閉じ込められた冒険者をガイアが解放してくれる演出がありました。これは直前の描写や物語の必然性を思うと納得できるし、あの氷の中から助けてくれるという流れはきれいだった。
でも今回は何故反発を覚えたのか考えたところ、自分で何かできる策が残っていそうだったからだと思い至りました。
たとえば、タンクLB3。(終焉の戦いをはじめ、メインのラスボス討滅戦ではタンクLB3を使わせてくれることがあります。たまに撃てるタンクLB3大好き)
乱入後、ウクラマトは謎足場を生成して私たちの目の前で斧を振っています。もう少しあのバトルの流れは美しくならなかったのか。
キャラクターの話
ウクラマト
黄金の評価を二分する女だと考えています。彼女を好きになれるかどうかで物語自体の評価がバックリ分かれるんじゃないだろうか。
素直で臆病で意外と気にしいな彼女は旅を通して見聞を広め、確かに大きく成長していきます。蒼天の頃、アルフィノがいろんなものを学んだり、出来ることを増やしたりしていた時、微笑ましく見ていたことを思い出しました。彼女がこれから武王として国を守り、導くために何を学んで成長していくのだろう。いつも側にはいられないだろうけれど、いつでもその成長を寿いでいたいと思える人でした。
ただ、ちょっと気になるのが……ウクラマトがあまりに物を知らなさすぎる点です。
彼女は物心つく前にグルージャジャ連王の養子になっています。王女として育てられた年月は短くないのに、自国を構成する多様な種族の文化や父王がまとめ上げるまでバラバラだったそれぞれの歴史を全然知らないことには疑問があります。
父王の大いなる旅路に興味を持ったりしなかったのでしょうか。詳しくは知らないと言っていましたが、あんなに尊敬していたのに何故そこだけ抜けているのです?乳母のナミーカさんに寝物語として冒険譚をせがんだりはしなかったのでしょうか。
トライヨラの城下町にもヨカフイ族を除く、ほぼすべての種族が生活しています。同じ町で生きていて、全く興味を持てなかったということでしょうか?
彼女は恐らくプレイヤーと同じ目線に立つ役割が与えられていたのだと思います。が、正直これは悪手だと思いました。その土地の文化や歴史を知らない役目は旅に同行する暁の面々や冒険者で良かったはずです。実際に冒険者(及びプレイヤー)は知らない世界なわけですし。王位につくための継承戦になってやっと自国のことに興味を持つ王女というキャラクター設計はちょっと、かなり意義を見出だせないです。デザインコンセプトを知りたい、本当に。
普段トライヨラで暮らしていく中で知っていた知識を各種族の集落に赴くことで実際に見て、聞いて、感じて、そして深く理解し考えるという展開ではいけなかったのでしょうか……。
彼女のことをいろいろ書きましたが、そんなに嫌いじゃないんです。頑張る人は好きなので。ただ、一点だけ物申したいことがあります。フェイスでIDに突入する時、私がタンクをしているので彼女はDPSになるのですが……一応DPSで連れてきているんだから先釣りするのは勘弁してくれ。どうして私がヘイトを取る前の敵にオンスロートで突っ込んだ?
ゾラージャ王子
もっと掘り下げが欲しかった人 その1。
力に固執しているということは序盤にクルルさんが超える力で見てしまった彼の心から察することができます。どこかのタイミングでゼノスみたい(ただしゼノスの方が話を聞かない)とは言われていましたが……個人的には彼はゼノスとは真逆の人だと考えています。ゼノスは諦観と渇きの上に圧倒的な力と遊び心を載せていたけれど、ゾラージャ王子の根底に諦観は存在していないように読みました。
彼が何に執着していて、どうしてそうなったのか……「奇跡の子」という呪いがそうさせたというのは分かるのですが、経緯がほしかった。一から百まで説明しろというわけじゃなくて。今、プレイヤー側に提示されたゾラージャ王子の情報はウクラマトの推察がほとんどなんですよね。長い時間、家族として接していたウクラマトやコーナ兄さんでも何を考えているかいまいち分からないと言われているのに。さらに言うなら、二人の王は彼に憧れていたそうです。憧れは人を評価したり、推し量る時に目を曇らせることがあります。
ゾラージャ王子が何を考え、何がきっかけで父王を殺すまで執着してしまったのか。いまいち理解しきれていません。物語を通して「知って好きになる」を散々口に出して実行しているウクラマトはゾラージャ王子にだけは速攻敵判定して知ろうとしない。彼が治めた(実際は治めていない)国を知ることはするけれど、ゾラージャ自身に向き合った人がいない。
いきなり出てきたグルージャも、どういった経緯で子どもを作るに至ったのか。謎でもいいですし、もしかしたらここから7.1以降のストーリーで語られるかもしれませんが……ぽっと出感が強くて都合が良すぎないか?と感じてしまいました。ソリューションナインにマムージャ族がいないと思うのですが見落としてます?彼の母親は何処に行ったんです?資源化されていてもおかしくはないけれど、ならばゾラージャに「あの女はどうののこうの」みたいな台詞があって然るべきでは。
余談ですが、同じことはガレマール帝国の時も思っていて。皇族の男性は表に出てきて親子三代をボコボコにしてきたわけですが、お妃様の話がほっっとんど出てこない。帝国の時は風呂敷広げすぎないように出せなかったのかもしれないけれど。
ただ今回は出すべきだったのでは?「親子」も黄金を通してのテーマだと思っているのですが、何故ゾラージャ王子と彼が作った家族へはここまで描写が少ないのでしょうか。
分かる……演出的に分かるんだけど………と、もやもやしてしまう。
あと、特に気になっているところがゾラージャが出征に出るために基地へ出向き、そこを襲撃するくだり。ここ、ウクラマトの言う通りになるか?と疑っていたのですが、本当にそのまま思い通りの展開になって驚きました。
このあたりまでにゾラージャの執念の拠り所はグルージャジャを(幻影とはいえ)乗り越えたウクラマトを自分の手で倒し、真の意味で武王となる禊をしたいからだと理解していました。だから、決闘という言葉を使ってウクラマトを呼び込み、自分の国で待ち受けていた。
ゼノスが最高の戦を冒険者と交わすために神龍となったように、最高の舞台を整えて待っていた時と同じように。
でも、ゾラージャはウクラマトの予想通り、いつの間にか失望してウクラマトよりトライヨラ出征を優先しました。足元にいる彼にとってノイズでしかないウクラマトを放って。
しかも出征は失敗。トライヨラの正規軍・勇連隊を率いていた、武略にも長けるゾラージャが敵戦力を大幅に見誤ることがあるか?確かにヴリトラ率いる竜の加勢は予想出来なかったでしょうが……機械兵の増産が不十分だったということか、あるいは機械兵の指揮系統の熟練度が足りなかったか……何もわからないんだ……描写がないから……。
もう一つ。継承戦中、外征を掲げていた彼は結局世界を平らげた先に何を求めていたのでしょう。言及されていましたっけ?サブクエまで回収できていないので、もし描写を見落としているだけならいいのですが。今の理解だと、側近としていたサレージャ(絶対斬り捨てられると思っていたら本当に切り捨てられてびっくりした)にも家族にも真の意味で理解されていない孤高の人ということになってしまいますが……どうなんだろう?
コーナ兄さん
強すぎる義兄。頭は固いけれど賢くて、今回の旅でサンクレッドとウリエンジェという強すぎるバックを得て人間的にも成長した最早無敵の人。武王ウクラマトに政治ができるとは思えないので、きっとコーナ兄さんが駆けずり回ることになるのだろうな……と予想がついてしまうくらいには有能な人なので、倒れてしまわないか今から心配です。ちゃんと休んでね。
バクージャジャ
もっと掘り下げが欲しかった人 その2。
前半はただの地元ノリを外に出しちゃった小物、後半は急に良い人になっちゃった人という印象で非常に勿体ない。めちゃくちゃ良いキャラクターなんですけど、あまりにあっさりしすぎている気がします。でも、彼の笑い方が汚いところ、嫌いじゃないです。
手下たちに怖がられているようで舐められているような描写、一回といわず何回かやっても良かったのではないでしょうか……それも冒険者たちの目の前でもやることで、「こんな酷いやつになんでついていくんだ?」という疑問を持たせてほしかった。ちょくちょく兄弟たち、家族の話題が出ていたので、プレイヤー側は一族郎党ぐるみの何かしらがあることは察せられますがウクラマトたちがそれを知るような場面はあったか……?
食の試練では折角ゾラージャ王子と組んだのだからそこで何かしら掘り下げたり匂わせたりすることが出来たはずなのに、本当に勿体ない。
後半に入ってからは改心したバクージャジャが出てきます。即位式の時、彼は生き方を定めるまでウクラマトには会わないと言っていましたが、その後は秒で出てきて「これが俺様の生き方だぁ!」となってびっくりしました。どうしてそう考えるに至ったのか、分かるんですけどもっと描写が欲しかった……。
流れるように勇連隊に加入していたけれど、ここで一悶着あっただろうにそれを見せてくれないのは何故ですか……。彼が継承の儀の旅で得たものや彼が見つけた新しい生き方に関する考えを表現するのに最高のシーンだと思うのですが……勿体ないなぁ。
全然本筋とは関係ないのですが、魔の方の声が完全に雪だるま。
グルージャジャ王
正直、いつ死ぬかひやひやしていました。あんな歩く死亡フラグみたいな人、久しぶりに出会いましたよ。
偉大な王であり、冒険者であるグルージャジャ王は善い人だと思います。ただ、良い父親ではなかったのかもしれない。言葉を尽くすというよりは背中を見せて学ばせる、昔ながらの職人気質のような人。個人的にはそういう人はすごく好き!グルージャジャ王の治世が大きな内乱もなく穏やかな黄金時代を築くことができたのは、ひとえに人柄と天下人としての高い能力故でしょう。だけど、全員が全員にとって良い方法などないことは分かりきっていて、ゾラージャ王子にとってグルージャジャ王は良い父親ではなかったのかもしれない。そのあたりの描写がない、というかグルージャジャ王とゾラージャ王子のやりとりがほとんどなくて、普段どういった温度感で話しているのかが全く分からないので何とも言えない。
きっとウクラマトやコーナ兄さんは養子ということもあって気を回していたこともあったのでしょう。それこそ我が子のように扱って。じゃあ、ゾラージャ王子は?唯一血を分けた親子、しかも双頭は親になれないという定説を打ち破って生まれてきた子どもに対して、グルージャジャ王は一体どんな風に接していたのでしょう。ゾラージャ王子の項目でも書いたように、グルージャジャ王のお妃様、ゾラージャ王子の母親はどんな人だったのか。背中で語る父をフォローする母という(前時代的な)テンプレがあったのなら、ゾラージャ王子の側には母親が寄り添っていた時代が少しでもあれば良いのですが……多分、なかったんだろうな……。
グルージャジャ王とのインスタンスバトル、めちゃくちゃ楽しかったです。技名も直線的ですごく良かったし、ストーリー前半の序盤と終盤で立ちはだかる壁としてはこれ以上ない役でした。もっと戦いたかったな……。
エレンヴィルとクルルさん
彼ら二人は今回の裏主人公だと見ています。
最終エリアでクルルさんのご両親とカフキワさんとお別れするシーンはもう画面が見えなくなるくらい泣きました。辛い選択だったし、もっと他に良い方法があるかもしれないと思えたから。クルルさんのご両親に、これ以外の方法はないと背中を押してもらえたのはある意味よかったのかもしれません。
だからこそ、彼らのお話をもっと時間を使って見たかった。継承の儀の最中、もっと描写を挟んだり寄り道をしたりしてもよかったのではないかと思ってしまう。
スフェーン
ウクラマトの裏にあたる人。スフェーンの宝石言葉って「永久不変」なんですってね。
覚悟が極まっていて痛々しささえ感じる人でした。民の側に立って言葉を交わし、共に歩んでいく姿勢はウクラマトと同じスタンスですが何故二人から感じる印象は違います。これまで何百年と王として民を守ってきたスフェーンとこれから王になるウクラマトとの違いでしょうか。
彼女は自身の記憶から作られたシステムとして今を生きています。ウェルリトで言うところのオーバーソウルモードに近いでしょうか。今回は「理想のスフェーン王」として民を守るためだけに造られたことが悲劇だった。そう思うと、在り方は蛮神に近いのかもしれない。
100IDで記憶の中のアレクサンドリアを駆け抜ける最中、スフェーンを守るために身を挺した騎士に彼女が逃げろと叫ぶ声がとんでもなく痛々しくて。あそこで足を止めて、船の行く先を見届けてからやっと歩き出せたのは自分だけではないはず。(漆黒以降のラストIDはキーキャラクターの語りつきで展開される仕様が定着してきましたね。あれ大好き)
100IDて足を止めた場所、もう一つありました。確か3ボス手前だったと思いますが、戦死したスフェーン王の記憶が保存されていたことを話している民が彼女の記憶を指して「黄金の遺産」だと言っていたところ。大切な王の記憶に対して、しかもそれをこれから利用すると分かっていて遺産だと言い表す。アレクサンドリアという国が存在する世界がいかに壊れていたのか一言で分かる。人の記憶を資源と見ているなら、魂も資源だという発想に至るわけです。こんなタイトル回収の仕方があるか?
彼女のように永久人として縛られていた人たちは星海に還ることができたのでしょうか。いつかもう一度会えたら、今度はゆっくり話をしたい。アリゼーが心配してくれたのに、結局冒険者はまた一つ「助けられなかった」という想いを背負ったように感じます。
暁の面々
今回はサポート役だったので何か語れるかというと何もないのですが……
強いて言うなら、エスティニアンとグ・ラハ。二人の言動に違和感があるところがあり、ちょっと消化しきれていません。
エスティニアンが冒険者に「無理をするな」と声をかけるか?サボテンの食べ過ぎでおかしくなったのかと思いました。星を救う旅を経て彼が丸くなったのだと思えばそれはそれで味がするのですが……唐突だったので驚きました。
グ・ラハは永久人の街でゴンドラデートをした時の会話。彼が疑問を投げかけるだけで会話が終わることは今までなかったように思います。問うて答えがあるなら耳を傾け、答えがすぐに出ないなら共に考える。彼は寄り添う人だと理解していましたが、もしかしたら解釈を間違えていたのかもしれません。
音楽の話
今回も音楽が大変素敵で嬉しかったです。特に95ID・ID道中ボス・フィールドバトル・オブリビオン関連施設の曲がお気に入り。トライヨラに着いた時、BGMがおしゃれでびっくりしました。ビッグバンド風?というのでしょうか。夢の国の空気感があって素敵。
ただ……ここでもちょっと、違和感があって。
99ID後にアルフィノたちと合流するところで、暁月の結構重要な場面でかかっていたBGMが流れて、それでいいのか???とは思いました。こういう時、その拡張のメインテーマが入った曲が使われることが多かったように思うので違和感がすごくて……。あと、ヤ・シュトラとグ・ラハがトライヨラに招聘されたところで悠久の風が流れたり。ヤ・シュトラは悠久の風に関係ないし、クリスタルタワー関連のあれそれを活かすというシーンでもなかったのに……悠久の風は好きだけど、ここじゃない。
ちなみにここだけじゃなくて、過去の曲の使い所がかなり謎なシーンはいくつかあったように思います(具体的なシーンは掘らないと覚えていませんが)。
総括
なんだかんが言いたいことも考えることもたくさんありますが楽しかった。きっとこれから先はいろんな鏡像世界がストーリーに関わってくるのだろう、と予想させる起承転結の「起」のお話だったという印象です。世界が広がっていくのはとても楽しいので今後も期待したいところ。
ただ、やっぱり粗が目立つ。「石川女史でないと嫌だ!」ということが言いたいのではなくて、体制の世代交代をするという内部事情をお話のクオリティやこれまで出来ていたこと(細かい描写や言葉の選び方、話の運び、キャラクター造形)が薄くなる理由にはしないでほしいです。全部が全部面白くなかったわけじゃないからこそ、本当に惜しいと思っています。
今後の展開に期待して、7.0の記録を終わります。