FF14 黄金のレガシー(7.1~7.3)感想
2025/8/31、FF14 7.1~7.3をクリアしました。振り返りのために感想を記します。
当然のように、これまで実装されたあらゆるコンテンツのネタバレを含みます。
なお、この感想文は自分の想いを整頓するものであり、誰かの考えや想いを否定するものでも肯定するものでもありません。ポジティブ・ネガティブなんでもありなので、そういったものを求めて来られた方はどうぞお進みください。
はじめに
7.0クリア後、リアルで諸々の事情が重なって丸一年エオルゼアから離れていました。
7.3で黄金のメインストーリーが一区切りしたこと、遊べる時間をちょっと作れたこと、たまたま無料ログイン期間のタイミングが合ったことから黄金を見届けるために戻ってみることに。一年振りでも斧と細剣の扱いは手が覚えていて、長く遊んできたんだなぁと少し感慨深く感じることができました。
7.1から7.3まで、2日ほどで駆け抜けた感想と記録を残します。
ストーリーの話
まず、全体を通して。
「黄金のレガシー」という物語と自分の感性は相性が悪かったのだろうと感じました。恐らく想定されているターゲット層から外れているのだと分析しています。
セリフひとつ、モーションひとつ、BGMひとつとってもいまいち乗りきれないというか、過去のパッチで見たことのある演出やストーリーラインで「黄金」ならではの味や特長が掴みきれないまま終わった印象があります。7.0の感想でもふれましたが、驚きのなさもついぞ払拭されずにトラルを出ることになりました。
7.0から感じていたことですが、暁月までの演出やストーリーを分かりやすく繰り返すシーンが多かったと認識しています。例えば、アレクサンドリアの人たちが死を遠ざけようとする描写や論調はゾディアーク派の古代人のそれに似ています。(ちなみに、政府のおじさんのキャラメイクはヴェーネスの語りのムービーに似ている古代人がいたような気も……)
「黄金のレガシー」は長く続いたハイデリン・ゾディアーク編が終わり、新たなFF14として踏み出す物語だったと思っていました。ただ、出てきた物語は過去に見たことのある哲学を近い立ち位置から書き直すもので、そこで目新しさや驚きを感じることは自分にとっては難しかったです。
当たり前のゴールに何のカタルシスもなく着地した印象を持っています。
演出面の話。
どうしても引っかかった点がいくつかありました。
恐らく百万回は言われているだろう、プリザベーションの隠し施設所長のロッカーについて。彼がカリュクスに心酔しているということを示すための仕掛けというのは分かるのですが、他にも見せ方があったのではないかと思っています。
あまりに分かりやすすぎるというか、使い古されたテンプレートに感じるというか……心酔や狂信にも表出の仕方にはいろいろあると思うのです。愛情に親愛・友愛・性愛などいろいろな種類があるように、憧れや信心にも種類があるのではないでしょうか。
SEまでつけてギャグとして描いていたので、そういったノリが合わないのも自分がターゲット層がずれているのだろうと感じる要因の一つです。
キャラクターの話
カリュクス
彼はとても優秀なエレクトロープ技術の天才で、と説明があったもののどうしても腑に落ちないところが多々あり、とても惜しいキャラクターだったと感じています。
まず、本当に5,000人分の死の恐怖+雷エーテルで降ろした蛮神で光の戦士を倒せると本当に思っていたのでしょうか。
残念ながらこの英雄は蛮神殺しで名を挙げた蛮神のエキスパートで、宇宙の果てまで行って神代から因縁のある絶望そのものを討ち倒した恐らく当代の人類最強格の冒険者です。おまけに原初世界の人間としては一人分魂が濃く、鏡像世界と比較すると経験面でもパワー面でもインフレしていると言わざるを得ません。さらに暁の血盟が勢揃いしており、対蛮神となれば負ける筋がほぼありません。
なのに、よりにもよって蛮神をぶつけてくるとは。分析不足では?
本当にカリュクスは光の戦士を英雄風情と思っていたのでしょうか?誰かの入れ知恵を使いたいだけだったとか、そういうオチだったらなんぼか良かったものを。
最後の最後、間に合わないと分かった時の絶望顔に小物感を感じずにいられません。
「管理された永遠」を掲げて永遠人を作り出そうとしていましたが、ここの理論にも疑問が残ります。破綻しない管理システムを構築することは難しいですし、ずっとメンテナンスし続けるコストの方が無駄では?と思わずにいられません。
もし人類全員が永遠人になったとして、重大なインシデントやバグが生じた場合、停滞することを選んだ人類は死による代替わりでバグ潰し(免疫の向上や人体の進化など)という手段を取れなくなるわけで。(別ゲームで例を出すと、ニーア・レプリカントのゲシュタルト計画が近いかもしれません)
彼はバックにまだ誰かがいる演出がありましたが、「奴は四天王にして最弱」みたいな噛ませにならないでしょうか……面白いキャラ造形だと思ったので残念です。
ところで、カリュクスはすでに永遠人になっているわけですが、彼を維持しているシステムってどうなっているか説明ありましたっけ……自分ひとり分のエーテルくらいなら何か補給する蓄えがあるということでしょうか。
スフェーン
カリュクスの駒として7.1からロビー活動をしていた彼女。
偽物であることを理解した上で駒であることを自覚しつつ、7.0で倒れた自分と同じ存在を嘲笑するそのメンタルはどうなっているのか全く理解できなくて面白かったです。自分の在り方をどう思っているのか、内面が知りたい人No.1。
喋り方が急にアシエン・ファダニエルみたいになって面白さが倍増してしまい、どうしたいのかますます分からなくなりました。
ずっと寝ていた方の彼女。
自分がかつて治めた国が大変なことになっている様子を見て、なんとかしなければと戦場に立つことを選んだのは純粋に良かったです。たとえ王位に就いていなかったとしても自分の力を国のため、人のために使うのは生まれながらの王族なのだなと彼女のアイデンティティを感じられて黄金の中でも特に納得感がありました。
細かいところ
- 急接近してきたキャラクターをいきなり退場させるの、いつもの展開すぎて逆に驚きました。
- 7.3でヤ・シュトラがことあるごとに冒険者を気に掛ける言葉をかけてくれたのが嬉しかったです。周りも見ているけれど、ちゃんとこっちも見ているよと言ってくれているようで。
- ルヴェユールさん家の双子ちゃんは本当に強くなって……
- グルージャが最終的に剣の稽古を始めるところ。自分のやりたいことを見つけたことには純粋に良かったと思う反面、剣を執るだけが強さではないと伝え続けていたFF14に在って少し寂しさを覚えました。アレクサンドリアは理王も戦場に立つことを選んだし、グルージャも武を選ぶのか……。
さいごに
冒険者として世界を歩き、未知の文化にふれ、時に強敵と相対してエオルゼアという世界に関わっていく。私はゲームを通してエオルゼアという世界を旅することが好きだったのだと思います。
物語を通して自分の中にはない哲学を知って考えるきっかけをもらったり、キャラクターたちや画面の向こうにいる誰かと出会って世界と関わることが何より楽しかった。
この先のことはまだ何も分かりませんが、少なくともこれまでエオルゼアで体験した物語が消えることはありません。いつかまたエオルゼアに戻る機会があれば、次の物語を全力で楽しめますように。